平成29年2月定例県議会の主な内容

1.前期の長崎県総合計画の施策評価について

Q1:平成23年から平成27年までの5年間の前期の総合計画の結果が、昨年の11月に発表され、施策の目標に対して100%は「達成」、90%以上は「概ね達成」、90%未満は「未達成」に分類し、5年間に掲げた354項目を、それぞれ評価し達成率は約92%となっている。
 しかし、2年前の県民所得は、全国40位だったのが43位に、現金給与総額は41位が43位に、実質経済成長率に至っては20位から41位に、それぞれ下がっている。また、勤労者一人当たりの実質収入は38位から42位に、同じく勤労者の1世帯当たりの消費支出は29位から41位に下がっている。92%の目標達成率に対して、現実は厳しい結果が出ているが、この現状に対して、県は、この評価結果をどう見ているのか。

A1:総合計画では、46の施策、179の主要事業ごとに、取組の成果を表す372の数値目標を設定して、毎年度、事業の進捗管理や検証を行っており県民所得などについては全国順位が下がっている。原因は平成25年度に製造業において、県の施策が及ばない従業員300人以上の大企業の付加価値額が低下したことが最大の要因と思われる。

Q2:水産加工品出荷額の結果は達成率が77%になっているが、基準年の平成20年の552億円に対して実績は501億円と51億円も出荷額が下がっている。下がっているのに達成率77%の評価というのはおかしい。施策評価の評価のやり方については、100億円伸ばすなら、その伸び率についてパーセントの評価をすべきと思うがどうか。

A2:県民の皆様方の評価と合わないところがある。今ご指摘いただいたのが、その代表的な例であり今後、研究、工夫を重ねてまいりたい。

Q3:クルーズ船が平成21年は58隻だったものが、実質的に180隻に約3倍に増えているがこの経済効果は。

A3:クルーズ客による観光消費額にいては、平成28年の入港実績をもとに算出すると総額約158億円、1回の入港で約5,800万円と推計している。

2.県庁舎跡地の活用について。

県庁跡地

Q1:県庁舎跡地については、検討懇話会から方針が出されているが、この場所は、1571年の長崎開港の時の岬の教会に始まり、江戸時代は出島を監視するための西奉行所、幕末には海軍伝習所が建てられ、本当に歴史の深い場所だ。
 海軍伝習所は、今の造船の基礎となる船の基礎技術を学んだところ。岬の教会については、キリスト教の関係でいけば、世界遺産との関連も非常に大きく、産業革命遺産と連動する非常に歴史的な場所だ。こういった位置づけは、現段階でどのように検討されているのか。

A1:この県庁舎の敷地は、長崎発祥の礎となった歴史的に大変重要な地であって、重層的な歴史的な価値を踏まえたところであり、情報発信や交流拠点として、広場や交流、おもてなしの空間を中心に、整備に向けて具体的な検討をしていきたい。

Q2:教育庁が入っている新別館の跡地をどのように考えているのか。

A2:新別館は耐震性が確保されている庁舎であり、老朽化が進んでいる長崎振興局の行政庁舎として活用していくこととし、現在、具体的な検討を進めている。

Q3:新別館の隣にある県警本部の跡地はどうするのか。

A3:県警跡地については、比較的自由度の高い活用策が検討できるので、今年度、民間の活力の導入により施設整備の実現可能性がないか調査事業を実施した。その中で、ホテルとかオフィスとか駐車場といった活用策について今後検討してまいりたい。

Q4:新別館に振興局が来るなら、今の長崎振興局はどうするのか。

A4:長崎振興局の庁舎の跡地については、まずは県の行政内部での活用の見込みがあるのか、次には各市町において活用の見込みがあるのか、そういった公的な活用の見込みがない場合には、未利用地の処分の対象ということになる。

Q5:大波止側にある第3別館とその周辺の昔の石垣をどうするのか検討されているのか。

A5:第3別館については、大正期の建物であるが、広場などとの使用機能の配置への影響とか、安全性を確保するための改修費用、維持管理の費用負担も踏まえた上で、総合的に今後検討してまいりたい。
 また、石垣については、江戸期から現存するものもあることから、可能な限り保存することを念頭に、移転展示や一部保存も含めて、土地の歴史を伝える方法を検討してまいりたい。

Q6:跡地懇話会が、平成24年7月から10回の会議を経て、平成26年4月に3つの方針が提言されている。本来ならば、この2月議会で長崎市が要望しているホール機能の整備方針の方向性が示されるようになっているがなぜ、結論が得られないのか。
 跡地懇話会から、ホール機能、歴史情報発信機能、多目的広場機能、この主要機能の候補の一つに入っているじゃないか。できない理由をはっきり示していただきたい。

A6:提案の前提となっていたMICE施設の取り扱いが、市議会の審議で一旦白紙となったことに加え、県庁舎跡地へ市役所を移転であるとか、旧公会堂の解体、存続の問題など、跡地活用策の検討に影響を及ぼすような事態が続き、検討を進めるには非常に難しい状況であったことをご理解いただきたい。そういった中で、市が計画しているMICE施設について、現在、民間事業者から提案内容を踏まえて、建設の是非も含めて市議会で議論がなされるところであり、こういった動向も見極める必要があるということで、今後、適切な時期に今後の方向性を判断してまいりたい。

Q7:MICE施設が障害になっているのか。1,000人規模のホールが一番採算性がとれるということで、長崎県と長崎市も、いろんな他の県のホール視察に行っているじゃないか。それに、なぜ応えようとしないのか。

A7:平成26年、長崎市からご提案があって、具体的な協議、検討を進めてきたが、その過程の中で、いわゆる駅周辺の用地についてはMICE施設をつくるという前提であったので、そこはおのずと役割分担ができるはずだと、こう考えてきた。その後、市議会での議論の中でMICE施設の案件が否決されて、交流拠点機能を担うような施設を整備するという方針が示された。そうなると、MICE施設と言っていたものがどういった機能を付与されるような形になるのか、これがわからなくなった。したがって、跡地の活用の3つの方針のうち2つの方針については一定ご理解がいただけたので、今後前向きに取り組んでいこうと思っている。ホール機能については、いま少し時間をおいて、しかるべき段階で方向性を判断していく必要があるものと考えている。

3.離島の活性化について

Q1:今年4月から国境離島新法が施行されるが 今回、42億円の11事業を策定されている。長崎県として、国境離島新法へどういった期待をされているのか。

A1:今回新しい国の交付金を、関係市町と一緒になって、最大限に活用しながら、雇用の拡充、滞在型観光の促進、国境離島住民の航路・航空路運賃の低廉化、移送コストの支援など、強力に支援し、雇用の場の創出、生産者の所得向上を図ることによって若者が地域に定着できる環境を整えるとともに、しまへのUIターンを進め、住民の皆様方が安心して暮らし続けていただける地域になるよう期待している。

Q2:離島の基幹産業である水産業は高齢化と後継者が育っていない。港の整備よりも後継者対策に力を入れるべきと思うが、人への対策、後継者対策に方向転換を進める気はあるのか。

A2:水産業の後継者、担い手を確保するということは非常に重要な課題で、浜の魅力発信による呼び込みや、漁業就業前後の技術研修の充実、そして県内の高校生への働きかけの強化などに努めている。次年度からは、地域の養殖業者が連携して産地育成計画を策定し、国内外への販路の拡大や安定供給体制の確立等を通じて、収益性の高い養殖経営体の育成にも取り組んでいきたい。

Q3:離島を振興するには思い切った対策が必要だ。国境離島新法を機に、国境離島の島々の消費税を無税化することを国に対して要望する気はないか。

A3:平成29年3月9日24年の離島振興法改正に際しても、消費税に限らず法人関係税、住民関係税等の減税措置、あるいは、さまざまな定住促進支援のための税制上の優遇施策等について、特段の措置を講ずるよう取り組んできた。今後とも、消費税に限らず、離島の振興を後押しするような税制度等の特例措置の充実について、国に働きかけを進めてまいりたい。

4.亜熱帯植物園について

亜熱帯植物園について

Q1:亜熱帯植物園は、昭和44年に開園し、これまで県民に親しまれてきたが、3月末をもって植物園が閉園になる。この跡地について、どのように考えているのか。

A1:亜熱帯植物園につきましては、閉園後概ね2年間、保有する植物の保全管理を行うとともに、その間に、できるだけ多くの植物を他の県有施設や県内外の類似する植物観賞施設へ移譲したいと考えている。跡地については、多額な費用を要する地すべり対策工事が必要なため、将来的に利活用を図っていくことは難しいと考えております。

Q2:植物園の上に県道、野母~宿線という県道34号線があるが、地すべり対策をしなかったら県道に影響が出てこないのか。

A2:平成24年から地すべりの調査を行っているが、その結果を見ると、地すべり範囲については、園の中の進入路の下部までにとどまっており、また、地すべり範囲から県道への距離がかなり離れていることから、将来的にも影響はない。

Q3:長崎市が、野母崎の田の子に恐竜博物館をつくる計画がある。そこで亜熱帯植物園の植物を、できる限り恐竜博物館と協力して、可能な範囲で移設をして、亜熱帯植物園の名残を残すようにしてほしいと思うがどうか。

A3:長崎市においては、恐竜博物館の整備に合わせ、植物園が所有する植物を何らかの形で利活用することも検討していると聞いている。これまで植物園が野母崎地域に果たしてきた役割を踏まえ、今後も長崎市と連携を図りながら、同地域の活性化に向け協議したい。

5.環境対策について

Q1:一昨年の12月、COP21でパリ協定が196カ国で環境協定が締結された。日本は、2013年度に比べて、2030年までに26%の削減を求められている。県として、公共施設に率先して環境配慮をしていくべきだが、新しい県庁舎の環境対策をどのようにされているか。

A1:新県庁舎は、省資源、省エネルギーなど環境に配慮し、低炭素社会の実現を目指す庁舎ということで、現在建設を進めている。具体的には、、LED照明や太陽光発電設備、テラスや屋上の緑化も取り入れ、標準的な官公庁と比べると消費エネルギーを4割程度削減できると見込んで、現在建設を進めている。

Q2:諫早湾干拓調整池に流れ込む生活排水は100%は下水処理がされていないので、窒素やリンなどが豊富に蓄積されてくる。この調整池の水をきれいにして排水するシステムができないものか水質改善についてお尋ねしたい。

A2:議員が提案されている調整池の水を浄化して海へ排出する装置の設置については、調整池からの排水量が膨大であることなどから、難しいものと考えている。今後、水質改善については、計画的、長期的に取り組む必要があることから、新たな対策を盛り込んだ次期行動計画の策定に向けて九州農政局と協議を進めており、引き続き、調整池の水質改善対策を推進してまいりたい。


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