平成30年3月定例県議会の一般質問

1.3期目に向けた知事の基本方針について

【質問1】
 中村知事は県民所得が40位台と長期低迷が続き、人口減少に歯止めがかからないこのような長崎県を、どのような産業で活性化しようとしているのか、その主な産業を示していただきたい。

【答弁1】
 県民所得向上対策に向け、主要産業である製造業、農業、水産業、観光業及びサービス業に具体的な数値目標を掲げ、この5分野の産業振興にしっかり取り組んでまいりたい。

2.観光立県長崎の取り組みについて

【質問1】
 私は、特に、観光という産業を今後いかに活性化していくか、ここが長崎県の一つの大きな活性化のポイントになるのではないかなと思っている。
 観光産業で、「観光DMO」という言葉が今、盛んに使われているが、そもそもこのDMOというのは何なのか、わかりやすく説明していただきたい。

【答弁1】
 DMOは、デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーションの略で、具体的には、観光によって地域に持続的な経済効果をもたらすことができるよう、専門性を持つ人材によるマーケティングやプロモーションを展開し、農林水産業や商工業関係者など、観光まちづくりに参画するさまざまな関係者を巻き込み、観光地経営を担うかじ取り役としての役割が日本版DMOと言われている。

【質問2】
 地域のDMOを今から推進するに当たり、現在の課題と今後の取組をどうしようとしているのか

【答弁2】
 DMO推進の取組に当たっては、多様な関係者の合意形成、マーケティング等の専門人材の充実、安定的な運営資金の確保などが大きな課題となっている。そのため県では、DMO候補法人を目指す団体に対し、登録までに必要な取組を支援するほか、専門的なマーケティング人材の育成を目的としたセミナーを集中的に実施することとしている。

【要望】
  要するに、総合企画を統括する人材が必要だと思うので民間からの人を入れてでも、長崎県DMOの推進に向けて頑張っていただきたい。

【質問3】
 アジアのゲートウェイとして海、空、陸、この3つの大きな窓口があると思うが、今年、「潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録されると、キリスト教が多いフィリピン等外国からの来客に向けて、長崎空港の税関、入国手続、そういった受け入れ体制は十分なのか。

【答弁3】
 長崎空港の国際線は現在、ソウル線が週3便、上海線が週2便就航しており、1便当たりの利用者は、多い時で190名程度となっている。 
 CIQなどの受け入れ体制は今後、路線拡大や飛行機の大型化など、利用者の増加が見込まれる場合には、税関等のCIQ官署や航空会社、空港ビル等で情報を共有し、対応策を検討するなど、利用者数に応じた受け入れ体制となるよう努力してまいりたい。

【質問4】
 海の玄関口である松が枝ふ頭は、平成29年の実績で267隻が入港して、どうしても受け入れできなく、キャンセルした隻数が172隻となっている。松が枝ふ頭の2バース化の進捗状況はどうなっているのか。

【答弁4】
 昨年は、長崎港のクルーズ船の寄港が過去最高となるとともに、船舶の大型化も進んでおり、受け入れ環境の改善が急務となっている。
 現在、国では、大型化に対応するため、松が枝地区既存岸壁の延伸工事を進めており、平成30年度の供用が予定されている。
 長崎港は今後も寄港の需要増が見込まれ、松が枝岸壁の2バース化の早期事業化に向けて、引き続き、国に対し要望を続けてまいりたい。

【質問5】
 今年、「潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録されると、長崎に2つの世界遺産と、記憶遺産の「朝鮮通信使に関する記録」が1つあるが、問題は日本遺産が3つあるのを県民がほとんど知らない。
 平成27年に、「国境の島 壱岐・対馬・五島」が日本遺産にはじめて推薦され、平成28年に、「日本磁器のふるさと 肥前」で、波佐見、三川内、また、「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴」が日本遺産になっているが、この辺のPRがなかなかされていない。
 こういった日本遺産、世界遺産をどう活用しようとしているのか。

【答弁5】
 県としては、「潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録効果を広く県内に波及させるため、関係市町や地域の方々と構成資産の歴史的価値を共有しながら、観光客の受け入れ体制の整備が必要と考えている。
 そのため、構成資産が県内に広く点在することを踏まえた観光客の広域周遊の促進と、現地ツアーの開発、歴史的価値を伝えるガイドの育成、観光案内所の設置、地元ならではの食や土産品の充実などに取り組んでいる。
 一方、日本遺産については、認知度不足といった課題があるため、国、関係自治体と連携しながら、引き続き情報発信や体験プログラムつくりなどに努めPRしたい。

3.雇用確保対策について

【質問1】
 企業誘致について、出島に完成したオフィスビル「クレインハーバー長崎ビル」の入居状況の現状はどうなっているのか。

【答弁1】
 クレインハーバー長崎ビルは、昨年12月に完成し、良質な雇用が期待できる企業を念頭に、誘致企業のニーズに応えられる受け皿として整備した。ワンフロア340坪の執務スペース5フロア有しており、現在の入居は1社、ワンフロアということになっている。
 事業を計画した折には、複数の企業からの誘致の案件もあり、一定の入居が見込まれていたが、その後、企業の事情の変化等もあり、現状にとどまっている。ただ、今でも複数の企業と交渉を進めている案件もあり企業誘致に最大の力を注いでまいりたい。

【要望】
 ビル建設時は、かたく見積もって2~3社、60%は入る予定が現実には、1社ワンフロアしか入っていない。そこは十分反省し、全部入れば、約800人近くの雇用が生まれるので全精力を上げて取り組んでいただきたい。

【質問2】
 神ノ島工業団地は、昭和56年から分譲開始になり、今、約30%の15.7ヘクタールが残っており、37年間も塩漬け土地になっている。現状について、お示しいただきたい。

【答弁2】
 神ノ島工業団地は、先月までに39.3ヘクタールを売却し、今月新たに、県内に製造拠点を持つ企業へ1.9ヘクタールの区画の売却が決定し、未売却地は15.7ヘクタールとなっている。
 神ノ島工業団地については、雇用の場として期待されているため、企業のニーズに応じた土地利用計画の見直し等、売却に向けた環境を整備し、企業誘致部局としっかりと連携しながら、残る土地の売却に積極的に取り組んでいきたい。

4.主要農作物種子法の廃止について

【質問1】
 種子法は戦後の昭和27年、日本の農業、食料を支えてきた米、麦、大豆を主要作物として、国が優良な種を生産・普及するための法律として制定をされて、この法律のもとに、各都道府県は、自分の県に合った米などの品種を農家の人たちに安く提供していた。ところがこの法律が、急に今月の3月いっぱいで廃止になったが廃止による長崎県に与える影響について、お尋ねしたい。

【答弁1】
 主要農作物種子法については、食料増産に向け、昭和27年に、国、県が主導して優良な種子の生産・普及を進めるべく制定され、各県において、優良品種の選定や、優良種子の生産供給に努め水稲等の安定生産につながってきた。 国としては、種子法廃止後も各県の種子生産の取組が後退することのないよう、引き続き、地方交付税措置を確保するように努めることとしており、平成30年度は地方交付税措置が講じられた。このため本県においては、種子法廃止による影響は出ないのではないかと考えている。

【再質問】
 平成30年度は交付税措置がされて、影響は出ないという答弁だったが、交付税措置がされる根本、基本の法律がなくなったから、いつまで続くか分からないじゃないか。
農家に対して、優良な長崎に合った米の種を供給するためには、やはり種子法を復活、あるいは種子法にかわる何らかの種子の安定供給に向けた対策の法律が必要だと思うが県の見解は。

【答弁】
 今般の国会決議、あるいは国の通知等に基づくと、県による種子の生産供給体制が維持されることから、種子法復活の要望までは考えていない。その一方で、議員ご指摘のとおり、水田農業を守り、農業経営を安定させるためには、優良で安価な種子の供給は大変重要なことだと考えているため、県の役割を明確に位置付け、種子の安定供給のため、地方交付税による予算措置も含めて、適切な措置を継続的に講じていただくよう、しっかり国に対して強く要望してまいりたい。

【要望】
 安定供給のために種子法にかわる法律が必要だと他県と連携とり地方から声をあげていただきたい。
 また、今後の種子の研究も含めて、国に対して強く要望し、今後とも変わらぬ供給体制を維持していただくように、よろしくお願いしたい。

5.県庁舎跡地の活用について

【質問1】
 文化芸術ホールの建設については、跡地活用検討懇話会の提言を受けているのになぜ建設しないのか。昨年の2月議会でも、私は中村知事に対して、文化芸術ホールの建設については強く要望しており、その後1年間が経過したがこの建設計画について、県の考え方をお示しいただきたい。

【答弁1】
 検討していた文化芸術ホールについては、長崎市が整備を検討しているMICE施設におけるホールとの機能重複に関する調整を行うため、市並びに市議会の検討状況を注視してきた。
長崎市では、2月市議会へのMICE関連議案の提出を見送られたところであり、長崎市並びに市議会の検討状況を注視し、その動向を見極めてまいりたい。

【再質問】
 今の答弁は1年前と変わっていないではないか。
 今年の2月市議会の一般質問の中で長崎市は文化芸術ホールについて、県庁舎跡地がやっぱりベターだと、こういうことを回答している。
 長崎市のMICE施設は床が平面のイベントホールになっているので、芸術文化ホールという1,000人規模の固定席のホールをつくろうという意向はない。このように重複する機能がないわけだから、県が早く決めるべきだと思うがどうか。

【答弁】
 県としては、MICE機能として整備を進めるという市の方針が市議会で明確に示されるということであれば、機能重複はあり得ない。
 やはり市議会として一つの方向性が出された段階で、最終的な判断をするべきではないかと考えている。

【要望】
 私が大事にしたいのは、跡地活用検討懇話会が10回の協議を重ねて、3つの方針の中に、ちゃんとこういった芸術文化ホールをつくるべきだと位置付けた、この重みをぜひ感じていただき早く県として決断してもらいたい。

【質問2】
 跡地検討懇話会からの方針の中にある歴史文化情報発信機能を持った建物については、長崎市が整備を進めている出島とマッチしたような建物にすべきだと思っているが、見解があったら示していただきたい。

【答弁2】
 県庁舎跡地活用検討懇話会から主要機能候補の一つとして提言があった歴史情報発信機能については、県が跡地活用策として考える3つの方向性のうち、交流・おもてなしの空間、こちらの一機能として検討を行っている。
 交流・おもてなしの空間の外観については、昨年11月定例県議会の中で、長崎奉行所や出島など、土地の歴史や周辺景観を踏まえたものとすることも検討の一つの視点として説明を行っている。今後とも、隣接する出島などとの景観の調和といった観点で良好な景観形成につながるよう検討を進めてまいりたい。

【再質問】
 この施設は世界遺産とか日本遺産含めた長崎の財産を発信する情報機能を持った施設にならなければいけないと思っているが、その辺の取組の関係について、お示しいただきたい。

【答弁】
 旧県庁舎の敷地はかつて、岬の教会や海軍伝習所などがあった長崎の象徴とも言える重層的な歴史を持つ土地であり、「産業革命遺産」と「潜伏キリシタン関連遺産」という長崎の2つの世界遺産を結びつけ得る場所でもある。このため、県内各地の観光情報に加え、この地の歴史や世界遺産などの情報を発信する機能を備える方向で検討を進めている。

【質問3】
 県庁坂の下にある大正期につくられた第3別館と、江戸時代の石垣の保存については、どのように考えているのか。

【答弁3】
 第3別館と石垣については、県庁舎跡地活用検討懇話会の提言の中で、取り壊すことを前提とせず、保存、顕在化等についても検討することとなっており、今後の取扱いについては、広場など、主要機能を整備する際の全体配置への影響なども踏まえた上で検討する必要がある。

【質問4】
 当初のスケジュールは昨年度に基本構想が出ている日程になっているが、今後のスケジュールについては、どのように考えているのか。

【答弁4】
  今後の検討スケジュールについては、MICE施設の整備に関する長崎市の検討状況並びに市議会の審議の動向を見極め、文化芸術ホールについての今後の方向性を判断した後に、基本構想の策定に着手してまいりたい。

6.投票率向上対策について

【質問1】
 昨年10月の衆議院選挙が57.29%、今年2月の知事選が、何と、36.03%。21%も投票率がダウンしている。この結果を受けて、来年の統一地方選挙、参議院選挙に向けて、今後どのような対策を打とうとしているのか。

【答弁1】
 県選管としては、これまでも投票率向上のために、商業施設等の利活用、そういった利便性の高い施設への期日前投票所の設置など、投票環境の向上に努めてきた。昨年の選挙では、21市町の中で、5市、6カ所の商業施設に期日前投票所が設置されたほか、平戸市では、自動車を期日前投票所とする、移動期日前投票所が県内で初めて設置された。
来年執行予定の県議会議員一般選挙及び参議院議員通常選挙に向けて、早い段階から、機会を捉え、市町選管への全国の優良事例等、情報を共有しながら、投票率の向上に向けて、積極的に取り組んでまいりたい。

7.外国人技能実習生の受け入れについて

【質問1】
 昨年の11月にベトナムを訪問した中で、JICAの方が「日本に実習生を派遣するのに、個人が100万円近くの借金をして行っている」との話しがあった。実習生の人にとってみれば、非常に大変な負担だと思うが、今の制度の現状はどのようになっているのか、お示しいただきたい。

【答弁1】
 昨年11月に技能実習法が施行され、技能実習の適正な実施及び実習生の保護を図るために、管理団体の許可や届け出の制度等が設けられており、優良な管理団体等においては受け入れ期間が3年から5年に延長されるなど、制度が拡充をされている。
 受け入れについては、まず管理団体が送り出す国側の機関と実習事業に関する契約を締結し次に、管理団体傘下の企業は、管理団体経由で、送り出し機関に実習生受け入れの申し込みを行い、それに基づいて、送り出し機関は、希望者を募集の上、候補者を選定する。その中から、受け入れ企業が面接等を経て決定した実習生と雇用契約を締結し、技能実習に至ることになっている。

【要望】
 民間同士での制度を国あるいは県同士で管理するようなシステムにしないと、外国人技能実習生の制度そのものが活かされていないのではないかと思っている。今後とも、国際貢献という位置付けで、この制度が悪い印象にならないように、早めの対策をお願いしたい。


<<平成29年3月一般質問トップページへ戻る