平成31年2月定例県議会の一般質問

1.県の海外事務所設置について

【質問】
 知事の大きな基本方針にアジアの玄関口として、この長崎県を発展させる方針が示されているが、現在、韓国のソウルと中国の上海の2カ所にある県の海外事務所を、新規定期航空便が就航している香港とか、経済成長が著しいシンガポール、交流が盛んなベトナム等に県の海外事務所を設置すべきと思うが知事の見解は。

【答弁】
 海外事務所は、誘客促進、輸出拡大などの経済的な実利の獲得に向け、現地における情報収集や本県の認知度向上、人脈構築などの役割を担っている。東南アジアや香港への海外事務所の設置については、一定費用もかかることから、設置の必要性を検討してまいりたい。

2.長崎港の2バース化について

【質問】
 平成29年に長崎港にクルーズ船が267隻入港し、キャンセルした船が172隻、平成30年には220隻が入港し、この年は何と255隻をキャンセルしておりそれだけ長崎港の人気は高い。
 国土交通大臣も視察に来ているが、この2バース化の事業化の見通しについて、見解を求めたい。

【答弁】
長崎港ではクルーズ船の寄港が急増してバース不足により、平均的に申し込みの約4割近くを断っている。地域経済の活性化を図るためには、松が枝岸壁の2バース化が必要不可欠であり先月、長崎港を視察した石井国土交通大臣からは、前向きなご発言もいただいたところであり、県としては、早期事業化に向けて、引き続き全力を注いでまいりたい。

【質問】
客船については、三菱重工長崎造船所が、大きな実績がある関係から、長崎港を母港化して、客船の修理、あるいは改修工事を長崎港で行うことを長崎県として後押しできないか。

【答弁】
  三菱重工長崎造船所は、海外船社のニーズ等もあり、クルーズ船のメンテナンス事業への参入を検討されていると聞き及んでいる。メンテナンス事業が継続的に行われるということになると、新たな雇用の創出など地域への貢献も少なからず期待される。県としても、三菱重工長崎造船所と連携しながら、このメンテナンス事業への参入に当たっての課題を共有しながら、環境を整えていけるように、しっかり力を合わせて取り組んでまいりたい。

3.日本版DMOの進捗状況について

【質問】
  DMOは、観光を中心にした総合商社という組織で、昨年の2月に県におけるDMO化に向けた課題と取組について質問した。答弁の中では、佐世保観光コンベンション協会が日本版のDMOとして登録されているという答弁があったがその後の状況についてお尋ねをしたい。

【答弁】
  昨年3月末に、長崎市の長崎国際観光コンベンション協会が日本版DMOに登録され、現在は、波佐見町や平戸市においてもDMO組織化に向けた検討が進められている。
 県においては、DMOの課題として、専門人材の不足が挙げられており、人材育成を目的とした研修を実施している。今後も、DMO法人を核とした魅力ある観光まちづくりを積極的に支援してまいりたい。

4.長崎県版DMOの進捗状況について

【質問】
  長崎には世界遺産、日本遺産がありそれぞれの地域の特産品もある。県下一円をどう回していくか、県域をカバーする県版のDMOが必要であると思うが、その後の状況についてはどうか。

【答弁】
  本県全域を対象として、観光客を呼び込んで、その経済効果を広く地域に波及させるためには、県版DMOの組織化も有効な手段の一つであると認識している。まずは市町をはじめ観光、商工、農林水産の県域団体など多様な関係者による協議の場を設け、具体的な議論を行い、実質的なDMOとしての動きを前進させたい。

5.日欧EPA締結に伴う県産品の売り込みについて

【質問】
 日本とヨーロッパのEPA、経済連携協定が2月1日に発効されたが、EU諸国に長崎のどんな商品を売り込もうとしているのか。

【答弁】
 県産品の輸出については、これまでアジア地域を中心に取り組んできた。
 現在、EU諸国に対しては、輸送コストの制約があり、輸出額はごくわずかにとどまっている。しかしながら、今回のEPA締結に伴い、15%という高い関税が撤廃された冷凍ブリについて、EU諸国への輸出拡大の可能性を検討している。また、緑茶については、ドイツを有望な輸出相手国として、現地の商談会やバイヤーの発掘を行って販売開拓につながるようにしたい。

6.地理的表示保護制度に伴う商品の承認について

【質問】
  地理的表示保護制度は、日本の国が、長崎ちゃんぽんなど地名のついた商品をしっかりと保護してやるという制度で、全国で73件登録されている。長崎県は対馬の「対州そば」が1品だけで、まだ長崎県の中にはいろんな地名がついた、長崎県産品があると思う。今登録されている対州そば以外の県産品の推進状況はどうなっているのか。

【答弁】
 本県では、平成7年に酒類で登録された壱岐焼酎、それから、対州そばが昨年4月に登録をされており、それ以外には、対馬しいたけが平成27年10月に、長崎からすみが平成30年4月に申請されて現在、この2品目が国において審査中である。
 今後、制度の趣旨や目的に合致した品目について、国のサポートデスクや市町、関係各課と連携して、産地のご意向を十分踏まえながら協議を進め、さらなる登録申請について取り組みたい。

7.関西方面での販売強化について

【質問】
  関東方面では、長崎県産品祭りなどがよく開催されているが、長崎出身者が多い関西での販売強化について、どう考えているのか。

【答弁】
  関西地域は県大阪事務所とも連携しながら、ブランド化や販路開拓に取り組んでいる。
 具体的には、百貨店での物産展のほか、スーパー、ホテルなどでの長崎フェアや、大阪空港や大阪駅等において、県内市町と連携した物産・観光PRを実施している。これらの取組の結果、関西地域における県産品の購入率や、フェア実施店舗での県産品売上額については年々増加傾向にあり、引き続き、新幹線開業も見据えながら、長崎の物産や観光の魅力を関西地域においても総合的に発信してまいりたい。

8.地球温暖化対策のパリ協定2020年始動に伴う県の取り組み

【質問】
  近年温暖化による影響が一つの要因と思われるゲリラ豪雨が頻繁に発生し、去年の夏に記録的な高温という異常気象があった。世界的な動きとしては、平成27年11月にCOP21において、新たな法的拘束力のある地球温暖化対策のパリ協定が採択をされ、日本では、このパリ協定を平成28年11月に締結して、2030年までに温室効果ガスの排出量を2013年に比べて26%、要するに17年間で26%削減する目標を計画に定めている。このパリ協定に基づいて、長崎県には、具体的にどのような地球温暖化対策に取り組もうとしているのか。

【答弁】
  パリ協定は、全ての国に温室効果ガスの排出削減を義務づけるなど、地球温暖化対策の新たなステージを切り開くもので、国においては、パリ協定を踏まえ、平成28年度に地球温暖化対策計画を策定し、温室効果ガスの排出削減等に関する対策が進められている。
 県においては、国の対策計画策定に先立ち、温室効果ガスを2020年度までに1990年度比で13.4%削減する地球温暖化対策実行計画を平成25年度に策定し、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの促進、普及・啓発活動などの取組を進めてきた。次年度から予定している県の実行計画の見直し策定において、国の地球温暖化対策計画や施策の動向を踏まえた新たな取組についても検討し、推進していきたい。

9.学校の教室、職員室へのエアコン設置状況について

【質問】
  昨年夏の猛暑に対し国は、義務教育の教室にエアコン設置の方針が示された。小・中学校の義務教育の教室にエアコンが設置される見通しを示してもらいたい。

【答弁】
  市町立小・中学校の普通教室への設置状況は、現時点で10.3%になっており、職員室には100%設置されている。普通教室への設置は、遅くとも平成32年には100%になる見込みである。

【質問】
 次に、現在の県立高校の普通教室へのエアコンの設置率はどうなっているのか。

【答弁】
  普通教室については、主に夏季休業期間中の課外授業への対応を目的として、PTAの要請に応じて設置許可をしており、設置率は82.5%となっております。

【質問】
  高校の教室のエアコンは、学校が設置しているのではなく、PTAの申請によって許可をし、保護者の皆さんの負担でエアコンが設置されている。おまけに電気代も徴収している。これはおかしい。小・中学校は完全に学校の負担だから、高校の教室は、やはり県が負担すべきと思うがどうか。

【答弁】
  これは平成16年当時、PTAからの要請があって、夏季期間中の補習等に使用するということで設置を許可した経過がありPTAのご負担によって空調を設置している。このような形態をとっているのは、本県のほかに全国で32県が、同様の方式によって空調を設置している。
 小・中学校の空調の設置については国の補助制度があること、それから、平成31年度からは電気代も交付税措置されることになっており、県立高校についてはそれが全くないということである。県立高校の普通教室に仮に公費で設置、また維持するとすれば、年間約1億8,000万円の財源が必要となることから、県教育委員会としては、まず老朽化した校舎の改築や改修など優先的に取り組み、現状では公費によるエアコン負担は非常に難しいと考えている。

【質問】
  私が調べたところでは、県の負担で整備方針を決めているのは、神奈川、群馬、茨城、福岡の県は、県として整備しますよという方針が出されている。長崎県も、せめて電気代だけでも県の方で負担すべきだ。そして、予算を確保して順次、普通教室にも県が設置をする考えはないのか。

【答弁】
  現在の財政状況では、我々としては、エアコンの運営については、申し訳ないが、PTAの方にお願いをしていたという経緯もある中で、その他の校舎の改修などに優先的に財源を振り向けていきたいと考えている。

【質問】
  32県以外の県は、ちゃんと県で負担しているわけだから、これは予算の関係があるから知事に伺いたい。これだけの猛暑の夏に、受験前の高校生の保護者の皆さんが決断をして設置をされたエアコンについては、やはり義務教育と同じように県がすべきと思うが方針はどうか

【答弁】
  高校になりますと、夏休みといえども補習があったり、夏の暑い時期に学校に登校して勉強をするといった環境の中で保護者の方々のご厚意によって今のような運営がなされているものと理解をいたしている。財政状況で、負担が可能な状況であれば、それは公費負担、直ちに取り組んでいくべきだと思っているわけであるが、そこは財政状況等をしっかり見極めながら、ご議論の趣旨も踏まえて検討をさせていただきたい。

10.海面上昇に伴う対策について

【質問】
  国連の気候変動に関する報告によると、60年後の2081年には、海面が1.3メートルアップするという新聞報道があった。
 コンクリート護岸の耐用年数は50年から60年なので、60年後の海面上昇に合わせて、今から護岸のかさ上げをしておく必要があると思っているがどうか。

【答弁】
  国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCの特別報告書原案において、今世紀末に海面が最大1.3メートル上昇するおそれがあるとされた旨の報道は承知しているが、現在、最終報告書はまだ公表されていない状況だ。
離島半島を多く有し、海岸線延長が長い本県にとっては、地球温暖化に伴う海面上昇は重要な関心事項であり、最新の科学的報告書については、今後も注視していく必要がある。
 県としては、最新の知見を踏まえ、現実的な施策を研究しつつ、適応策を検討してまいりたい。

11.防災対策について

【質問】
  地球温暖化で大規模な自然災害が発生しており、特に昨年の西日本豪雨などで土砂災害や河川の氾濫で甚大な被害があった。今後、地球温暖化の影響からゲリラ豪雨などが増えてくると考えると、県民に対して、災害危険箇所を示したハザードマップ及び避難所等の情報を早く伝えることが重要だと考えている。ハザードマップつくる上の基礎となる土砂災害警戒区域や河川の浸水想定区域の県下の指定状況についてお尋ねしたい。

【答弁】
  土砂災害警戒区域については、平成31年度までに約3万1,500カ所の調査を完了することとしており、今年度までに約8割の2万5,000カ所を指定する予定であり、河川の浸水想定区域図につきましては、平成33年度までに水位情報周知河川等の27河川について、想定最大規模の洪水に係る浸水想定区域図の作成を行うこととしており、今年度までに17河川が完了する予定である。これらの危険な区域の情報を関係市町に対し速やかに提供し、市町が避難所等の情報を含むハザードマップを作成することを支援してまいりたい。

12.県庁舎跡地対策について

【質問】
  第3別館は、大正期に建設された建物であり、文明堂本店と並んで長崎らしい建物であるが、この第3別館の取扱いについて 決まるのはいつになって、どうしようとしているのか。

【答弁】
  県庁舎跡地の検討に当たっては、限られた敷地の中で3つの主要機能をどのように配置するのか、検討する必要があったため、跡地全体の利用計画が整理できていない段階で第3別館の取扱いについて単独で方向性を決めることができない状況だった。
 第3別館の取扱いの方向性については、整備方針を決定した後、策定する予定の基本構想の中で大正期の建築物であることを考慮しつつ、耐震性や今後の活用のための建物の改修など、維持管理の費用負担などを踏まえて、保存、活用の可能性を検討してまいりたい。

【質問】
  県警本部の跡地の活用策について、どのように考えているのか、示していただきたい。

【答弁】
  県警本部跡地は、県庁舎跡地のように歴史的な建造物が建っていた経過がないので、隣接する民地との連携も含めて、比較的自由度の高い検討が可能である。まずは県庁舎跡地の中での整備を基本としつつ、県警本部跡地の活用についても民間の視点で駐車場も含めた複合的な活用などについて、基本構想を策定する中でしっかりと検討してまいりたい。

【質問】
  法律改正に伴う長崎県への影響について、2点、お伺いしたい。
まず漁業法だが、戦後の昭和24年に、海で漁場を誰にどう使わせるかを定めた法律であり、70年ぶりに改正された。全国2位の約1万4,000人の漁業従事者を抱える長崎県への影響はないのか。

【答弁】
  国は、適切な資源管理と水産業の成長産業化の両立を図るため、昨年12月14日に改正漁業法を公布した。主な改正点は、新たな資源管理システムの構築、生産性の向上に資する漁業許可や海面利用制度の見直し、密漁への罰則の強化などであり、資源の維持・回復や適正な漁場の利用管理が図られ、利用者の利益にもつながることが期待される。
現在、法律運用のための政令や省令の改正の手続が進められており、県としては今後とも情報の収集に努め、漁業者に過度の負担感が生じないよう、国に働きかけてまいりたい。

【質問】
  入国管理法改正に伴い、県に約5,400人程度の外国人労働者がいるが、そのうちの半数を占める技能実習生、約2,500人程度が今、長崎県にいる。法の改正によってこの人たちに影響はないのか。

【答弁】
  本年4月に、新たな在留資格として特定技能が創設され、この制度が現に受け入れている技能実習生に及ぼす影響は特段ない。
 現に雇用されている技能実習生については、その職種が新たに設けられる特定技能の対象となる分野であれば、本人の希望により、3年または5年の技能実習が終了した後、技能及び日本語能力の試験を免除の上、特定技能1号へ移行し、継続して働くことが可能となっている。

【質問】
  今回の改正に伴う外国人労働者対策の一つとして、県では、外国人個人の相談窓口を新たに設置するようにしているが、この窓口については、何時から何時までを考えているのか。

【答弁】
  行政、生活全般の情報提供や相談などに対応する総合相談窓口については、地域で生活する外国人の方々が抱える課題に、専任の相談員のほか、自動翻訳機や多言語コールセンターを活用し対応するようにしている。
相談対応時間については、基本的には9時から5時ということで考えていたが、外国人の皆様方が利用しやすい時間帯の設定や、休日の対応も含めまして検討してまいりたい。

13.種子法廃止に伴う県条例の制定について

【質問】
  種子法は、戦後の昭和27年に、米、麦、大豆を中心に、国が優良な種を生産、普及するための法律であり、長崎県独自の種子を維持してきた。他県では5県ぐらいが、この種子法の精神を守るために県の条例を制定しているが、種子法廃止に伴い、長崎県として県条例を制定する考えはないのか。

【答弁】
  県では、主要農作物種子法の廃止に伴い、農業団体からの要望を受け、平成30年3月に、長崎県主要農作物種子制度基本要綱を制定し、米、麦及び大豆の優良で安価な種子の生産供給体制を維持していくこととしていることから、県としては、条例の制定は計画していない。

14.統一地方選挙の投票率向上対策について

【質問】
  平成27年の県議会議員の一般選挙の投票率は50.89%、その4年前が57.85%であり年々低下している。県議会の一般選挙並びに参議院選挙の投票率向上対策について、選挙管理委員会の見解を求めたい。

【答弁】
 選挙管理委員会としては、これまでも、投票率向上のため、商業施設や大学等、利便性の高い施設への期日前投票所の設置など投票環境の向上に努めてきた。
 しかし、4月7日執行予定の県議会議員一般選挙は、選挙期間の大部分が春休みであるため、大学、学校への期日前投票所の設置は、長崎大学1カ所となっており、商業施設等については、これまで設置された5市6カ所に加え、五島市の長崎県福江港ターミナルに新たに設置される予定である。また、投票率の低い若者の世代に対する働きかけの強化が必要と考え、新入生や新規採用者に対し、選挙啓発チラシの配布を今回初めて行うこととしている。
 なお、参議院通常選挙については7月の執行の予定で、少しまだ時間があるので、県議会議員選挙の取組結果を踏まえ、詳細な投票率向上を検討してまいりたい。

 以上をもちまして、私の最後の質問を終わらせていただきます。
 理事者の皆さん、同僚議員の皆さんに感謝申し上げまして、そして今日、傍聴に来ていただきました支援者の皆さんに感謝申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。


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